誰もが経験する一般的な症状ですが、その中には治療を要する頭痛があります。頭痛は2013年に最新改訂された国際頭痛分類第3版に準じて診断するのが一般的です。大雑把に言えば一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
一次性頭痛は症状によって診断される頭痛疾患です。頭痛の大半が一次性頭痛で、その代表が片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの三叉神経・自律神経性頭痛です。機序は異なりますが、同じような程度の頭痛が繰り返し起こることが特長です。症状の程度に応じて、内服薬による治療が勧められます。
二次性頭痛は何らかの病因に伴って生じる頭痛で、頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、感染症、薬物などによるものがあげられます。突然に生じた頭痛、今まで経験したことのないような頭痛、いつもと様子の異なる頭痛、程度と頻度が増していく頭痛などと表現されることが多い頭痛です。神経学的診察のほかに、頭部MRIやCTなど画像診断が必要となります。外科治療が必要な場合もあります。
これら頭痛の診断に最も重要なことは問診です。いつから、どの程度の、どのくらい持続し、どの部位か、どのような時に痛みが強くなるかなどの情報が重要で、頭痛の診断の80%は問診で決まるといっても過言ではありません。
一次性頭痛であれば放っておいてよいというわけではありません。日常生活に支障をきたす程度の頭痛が数時間から数日持続することが見られ、適切な治療、特に内服薬による治療が必要です。